
Liquid AIがDSparkドラフトモデルを公開——GPUで最大3.18倍速い推論、起源はDeepSeek
Liquid AIが2026年8月20日、LFM2.5向け投機的デコーディングモデル『DSpark』を公開。GPUで最大3.18倍、オンデバイスで最大2.87倍の高速化を発表。技術の起源であるDeepSeekの数値やOSS実測値も解説。
Liquid AIがDSparkドラフトモデルを公開
Liquid AIは2026年8月20日、LFM2.5ファミリー向けの投機的デコーディング用ドラフトモデル『DSpark』をHugging Face上でオープンウェイト公開しました。公式発表によれば、GPU上で最大3.18倍、オンデバイスでも最大2.87倍のスループット向上を達成しており、特にLFM2.5-2.6Bでは関数呼び出し(function calling)のレイテンシを平均57%削減するとしています。ドラフトモデルはLFM2.5-1.2B-Instruct、LFM2.5-2.6B、LFM2.5-8B-A1Bの3モデルに対応し、パラメータ数は約300M(1.2B-Instruct向けが295.7M、2.6Bと8B-A1B向けが327.7M)とされ、llama.cppとSGLangの両推論エンジンに初日から対応する形で公開されました。
DSparkはもともとDeepSeekの技術
DSparkという技術自体は、DeepSeekが2026年6月に自社のDeepSeek-V4向けに公開したものが起源です。DeepSeek-V4では、1ユーザーあたりの生成速度を従来のMTP-1方式比で60〜85%高速化したと報告されており、オフライン評価でも採択トークン長がEagle3比で26〜31%、DFlash比で16〜18%向上したとされています。Liquid AIは今回、このDSparkの仕組みをLFM2.5向けに移植し、DeepSeek以外のモデルファミリー向けにDSpark互換のドラフトチェックポイントをオープンウェイトで公開した初めての事例になります。
OSSコミュニティでの実測値も
オープンソースのllama.cppプロジェクトでは、LFM2向けDSpark対応を追加したPR #27383(2026年8月20日マージ)で、NVIDIA GeForce RTX 4070 Laptop GPUを使った実測結果が報告されています。平均speedupは約2.12倍、受理トークン数は3.54で、コード生成タスクでは3.22倍まで伸びる一方、創作寄りのプロンプトでは1.33〜1.54倍にとどまったとのことです。ベンダー公表値とコミュニティの実測値の間には幅があり、タスクの種類によって効果が変わる点は導入前に押さえておきたいポイントです。
誰におすすめ
- 自社サービスでLFM2.5系モデルをローカル/オンプレ推論している開発者
- llama.cppやSGLangでのLLM推論コストを削減したいエンジニア
- 投機的デコーディング(speculative decoding)の実践的な効果を知りたい人
何をすべきか
- 自社ワークロードがコード生成寄りかクリエイティブ寄りかを整理し、DSparkの効果が出やすいタスクかを見極める
- llama.cppまたはSGLangをDSpark対応版にアップデートし、PR #27383のベンチマーク手順を参考に自環境で速度を検証する
- ベンダー公表値(3.18倍・2.87倍)とOSSコミュニティの実測値(2.12倍前後)の差を踏まえ、自社環境での実測を必ず行う
注意点
Liquid AIが公表した3.18倍・2.87倍・57%という数値は自社計測に基づくもので、第三者による独立した再現ベンチマークはまだ確認されていません。またDSparkのオリジナルであるDeepSeekの60〜85%という高速化幅も、DeepSeek自身の公表値であり独立検証はまだありません。llama.cppコミュニティの実測(2.12倍前後)は1件のPRにおける検証結果であるため、自社のワークロードに当てはめる際は独自にベンチマークを取ることをおすすめします。


